2nd November 2020

担当:武藤 正樹(建築研究所)

建築許可/確認プロセスのBIM応用の現状について、4か国(英国/日本/エストニア/EU)の事例紹介と討論を行った。UKからは、紙ベースの審査をデジタル化する試行の状況を説明した。現状分析、試行、工業化(Industrialisation)、評価(Scaling)の段階を設定し、自動審査の開発を進めてゆく方針を示した。情報を統合化するHUBとして、Construction Innovation Hubを開発している。日本からは、bSJ建築委員会意匠設計小委員会を代表して安井小委員長が、日本の取組みと、法規情報要素のIFC表現の整理、法規情報モデルの構成(RIM(法規情報モデル)=RRM(法規要件モデル)+RAM(法規承認モデル))の提案を行った。エストニアからは、2030年までに建設分野の生産性を3倍にすることを実現させる、BIM建築許可手続きの実証(PoC: Proof of Concept)の紹介があった。ここでは、 PSCA(Pre-Construction Services Agreements:建設前業務合意)で用いるモデルから、60項目の自動審査をIFCベースで実施した。実証の結果は、PSCA common BIM requirementsに反映される。EUからは、国際的取り組み(The European Network for Digital Building Permit:EUnet4DBP)について紹介があり、最新状況(State of the Art)の理解、複雑さの可視化(Address the  complexity)を行い、建築許可プロセスのDXの加速を目的としたマニフェストの策定に至った。発表後の議論では、デジタル化、特に審査の自動化に適用できる技術、建築、インフラといった官署をまたがる自動審査の実現、デジタル対応の法規、審査員の役割について討議がなされた。